【第210号】コロナ禍の影で

 緊急事態宣言が延長された。対象地域も拡大された。連日のように様々な報道がされている。しかし、その内容は相変わらず大きな変化はない。いい加減うんざりだ。大人数での会食の自粛。対象地域への移動の自粛。挙げればきりがない。高齢者にとっては、ワクチンはどうなっているのか全く分からない。期待せずに待つしかなかろう。
 一方、オリンピックの聖火リレーは続き、オリンピックに向け様々に準備が進んでいるようだ。更に、憲法改正への法整備が進められている。身近な話題では、来年度、高等学校では新しい学習指導要領が施行される。新しい学習指導要領では、日本史と世界史のうち近現代が統合された歴史総合が登場する。現代社会は公共になる。地理は地理総合として約半世紀ぶりに必修科目となる。学習指導要領の改訂は教育の根幹に関わるものである。
 世界に目を向ければ、ミャンマーでの民主化勢力と軍部との対立。お隣のインドの感染状況を考えれば、ミャンマーでの感染状況はどうなっているのか気になる。イスラエルとパレスチナの対立、台湾問題などなど。コロナ禍とは言えない大きな問題が起こっている。日本にも多かれ少なかれ影響がある問題である。
 コロナ禍は身近な問題としては重要である。しかし、そこに関心を集中しすぎると、それ以外のところで見落としがちなものが登場する。気が付いた時には遅い、というわけにはいかない。時代の変化は著しい。取り残されないよう心掛けなければならない。

筆者紹介:水野好清