同窓会事務局に、最近寄贈された3冊の本を紹介しよう。
小学校社会科用『社会』3・4下(光村図書出版株式会社発行)。小学校3年生と4年生の社会科用の資料である。平成26年4月4日に検定済となっている、「地いきの人たちにとって大切なものを守ろうとした人がいたんだ。」との見出しに、市川量造と小林有也の写真が掲載され(96頁)、「松本尋常中学校(今の松本深志高等学校)の校長であった小林有也は、」「松本城の天守かくほぞんに立ち上がりました。」と書かれている(同頁)。明治30年頃の天守閣が、同窓会所蔵の写真である(97頁)。
この12月12日発行の『こころの松本』(郷土出版社)には、同窓会から3枚の写真が提供された。「長野県師範学校松本支校に松本中学が同居」(27頁)、「長野県尋常中学校」(28頁)、「傾いた松本城天守」(36頁)である。いずれも明治期の写真で、同窓会の資料室に保存されているものだ。松本中学が松本城の二の丸にながいことあったために、中学校の写真の多くに、天守が写っている。「傾いた天守閣」を修理して永久に保存しようと尽力したのが小林有也校長なのだ。
『柳澤孝彦の建築』は、柳澤孝彦氏の著書で、この12月15日に発行された。柳澤氏の建築を、写真と解説でまとめたもので、第Ⅱ章の劇場・ホールのなかに、「松本深志教育会館」が紹介されている(84、85頁)。南面外観、ホール内側、会議コーナーからみたホールの3枚のカラー写真が会館の特色をあらわしている。柳澤氏はこの解説で、教育会館をホール仕立てにしたきっかけは、「萩元晴彦氏の『あらゆる新しいこと、あらゆる美しいこと、あらゆる素晴らしいことは、一人の人間の熱狂から始まる』の言葉が創造性を発展させるホール空間のイメージをかき立てたからである。」と結んでいる。
3冊ともに、当面は教育会館の図書コーナーで閲覧できる。柳澤氏の著書は、先輩文庫へ。