【第29号】新校舎での50周年記念祝賀行事

蟻ヶ崎に松本中学の新校舎ができ、授業が始まったのが昭和10年9月の2学期からだ。

その前年の9年が創立50周年にあたっていた。明治17年(1884)に東筑摩中学校が廃止されて長野県中学校松本支校の設立を起算してのことだ。その記念祝賀は、新校舎竣工祝賀式典とあわせて翌10年に挙行された。

記念式は、11月1日午前10時から新校舎講堂でおこなわれた。松本駅の正面に大アーチが立てられ、校門にもアーチが飾られた。前庭には万国旗が掲げられ、祝賀の花火も響きわたり、記念絵葉書も売られた。

午後1時から、職員と同窓生の慰霊祭が講堂でおこなわれ、そのあと雨天体操揚で立食の祝宴、続いて講堂で同窓会の発会式。3時40分から先輩2人の記念講演会が講堂で開催された。6時から松本館で懇親会、9時すぎに、長野県知事の音頭で同窓会の万才をして閉会となった。

2日から5日まで、記念展覧合、野球学年マッチ、祝賀提灯行列、運動会、校内音楽会等の祝賀行事がおこなわれた。2日の夕方6時からの提灯行列は、生徒900人余の紅白の小提灯と各組ごとの大提灯とで校庭が埋まった。校長を先頭に、1年から5年生までの行列は、天守閣広場まで続いた。

応援歌「アカシヤ薫る」は、この50周年記念募集歌に応募し当選した歌だ。

明治17年を起点とすれば今年で129年となるが、今では、明治9年(1876)7月10日の「第十七番中学変則学校」を起点とするから、140周年は平成28年7月となる。もうすぐだ。

筆者紹介 : 小松 芳郎