【第15号】中嶋嶺雄会長を偲ぶ

「若い人にとって魅力のある同窓会にしていきたい」「広報活動の強化。新しい情報をどんどん発信していくことが大切」「安定的な財源の確保が大事」。

今年の元旦に発行された『深志同窓會々報』(復刊第19号)の、中嶋嶺雄会長の対談のなかの抱負だ。私は、この対談時に会報の委員としてその場で記録と写真をとっていた。

その中嶋会長が2月14日に急逝されたことが、今でも信じられないでいる。

3月にはいってまもなく、日頃、中国問題について教えていただいている方が、私のもとに中嶋嶺雄氏の著書4冊を届けてくれた。『増補 現代中国論』(昭和46年増補)、『北京烈烈 激動する中国』上・下(昭和56年)、『香港 移りゆく都市国家』(昭和60年)だ。そのときどきの中国の状況を分析して検討を加えている。『北京烈烈』は、文化大革命の開幕から15年間の激動の軌跡を問いつづけた中嶋の評論を網羅したものだ。「中国を研究する私自身の自己との格闘の軌跡」であるとして、「若い世代の人びとに語りつぐべきだという一種の使命感」から本書を書いたとしている。『香港』の著者紹介には、著書16冊、訳書6冊、編書2冊が紹介されている。みな中国関係の本である。

中国の研究者であった中嶋嶺雄氏の一端をあらためて知った思いがする。

筆者紹介 : 小松 芳郎