明けた2016年は平成28年。高度経済成長期を駆け抜けた身には「昭和91年」と置き換えた長い計算尺が使いやすい。
深志同窓会の会報が送られてきた。A4版のカラー8ページ建て。文学博士・中山久四郎(松中10回)による題字を除いて、従来の新聞体裁から紙面がガラリと変わった。「百四十周年のいま、未来にむかって、心新たに」との見出しが躍る。
ページをめくる。同窓会長あいさつ、記念募金の呼びかけ、定時総会開催を伝える記事、各支部の活動、現役生の活躍ぶり、年次会やOB会の活動…。これまでと大きな差異のない掲載内容も、紙面構成やデザインが変わると新鮮に映る。
140周年記念事業広報誌が同封されていた。演奏会や美術展、講演会、記念出版などの多彩な事業で節目を飾る。寄付の振替用紙も封入されていた。募金計画のソロバンが合わないと、同窓会のロマンは成り立たない。
老・壮・青の蜻蛉たちが集う同窓会には若い人たちの関心をどう引き寄せるか、という永遠のテーマが横たわっている。一新された会報を、読み手はどう受け止めただろうか。その字面と行間から、若い世代の積極参加とスクラムを期待する作り手の思いが伝わればいい。