【第8号】会報づくり

深志同窓会の会報づくりを手伝っている。「かみちゅう」と慕われた大先輩から声をかけられ「ノー」と言えなかった。そのころは中華料理店の2階座敷で打ち合わせをした。ひと仕事を終え、ラーメンをすすりながら銚子を何本も空けた。

中華レストランの個室で話し合いをした時期を経て、最近の編集作業は深志教育会館で行っている。創立130周年記念事業で建設されたよりどころは、落ち着いたたたずまいと、喧騒を遮断した空間が特に素晴らしい。作業も捗るというものだ。

文章を書く際は、まず伝えようとする相手を定める。誰に向けて書くのか。友人なのか、先輩なのか。会社ならば上司か、同僚かによって筆致が変わってくる。多くの人たちに分かってもらうために独りよがりを戒める。吟味を重ねた結果、無駄がそぎ落とされ、文章が磨かれ、説得力が増していく。苦しく難しい作業ではある。

会報が年1回、定期的に発行されることになった。リニューアルされたホームページと呼応して、同窓生に情報発信する役割を担う。師走の編集となった最新号には、周年事業に取り組んだ先輩年次の代表から玉稿が寄せられた。深志で過ごした日々を、2万人を超す蜻蛉群像に語り伝えたい、との思いが行間からあふれる。

筆者紹介 : 伊藤 芳郎