【第37号】32人の深志の人物

深志同窓会120周年記念事業のひとつとして、『深志人物誌Ⅱ』が平成18年12月に発行された。560頁の分厚い本で、つぎの32人が収録されている。

小林有也、湯本武比古、中山久四郎、田中穂積、樋口秀雄、藤原鎌兄、田中義麿、西村眞琴、平林廣人、郷原古統、鈴木雅次、神林浩、河越虎之進、青木誠四郎、丸山恒人、上條愛一、岡茂雄、犬飼哲夫、降旗徳弥、増田甲子七、池上鎌三、臼井二尚、百瀬結、上條俊介、高橋玄一郎、青栁優、岡田甫、臼井吉見、松本克平、中村武志、宮坂哲文、上原良司。

初代校長の小林有也が収録され、「少年有也は幕末維新をどう生きたか」を追う。さらに、戦後の深志教育を創った岡田甫校長も登場している。人物一人について、400字詰原稿用紙25枚前後で、じつに読みやすい。

このなかで、知っている人物がどのくらいいるだろうか。本書の編集方針では、人物をできるだけ各領域にわたるようにバランスをとり、また、人物選定の基準は、社会的な貢献度からとのことだ。知らない人物が大勢いればいるほど本書の購読をお薦めしたい。

「生きた歴史の構築とは、まさにわたしたち一人ひとりのうちにあり、松中・深志という場を契機とするわたしたちの生き方が問われている」「小林校長をはじめとする三十二人の人物像はそのための手掛かりであり、登場人物、執筆者、読者の三者の出会いによって初めて命をえ、意味をもつものと思われる」と、本書のまえがきにある。

なお、130周年記念事業で平成18年10月発行の『深志人物誌Ⅲ』には25人が掲載され、昭和62年発行の『深志人物誌』は29人が登場。

ⅡとⅢはまだ在庫があり、同窓会事務局で販売している。登場人物が、読者との出会いを待っている。

筆者紹介 : 小松 芳郎