【第218号】銅

 オリンピックとパラリンピックが終わった。期間中には取得されたメダルの数が連日報道された。トーナメント戦では、決勝戦で勝てば金メダル、負ければ銀メダル、3位決定戦に勝てば銅メダルということのようだ。つまり、最終戦で勝たなければ金メダルと銅メダルを取ることはできないことになる。そう考えると銅メダルを取ることは、銀メダルより感動が大きい。そんなことを思いながら報道を見ていた。
 ところで、銅にはcopper(カッパー)とbronze(ブロンズ)がある。ブロンズは青銅とも言われるが、銅メダルもブロンズのようだ。カッパーは同線に使われているようだが、私にはブロンズの方が親しみがある。もちろん青銅器文明もあるが、十円硬貨はブロンズである。
 青銅器文明は、その名の通り青銅色のイメージがある。しかし、出雲大社の隣にある島根県立古代出雲歴史博物館には荒神谷遺跡から出土された鉾と銅鐸が展示されていて、展示室に入ると黄金色に輝く展示品に圧倒された光景を思い出すと黄金色のイメージが拭えない。
 中国古代では、ブロンズは銅と錫の合金として作られた。中国史の中で銀は重要な位置を示すが、鋳造貨幣としてはブロンズであった。庶民の暮らしにはブロンズは欠かせないものであった。日本にも、戦国時代、銅銭が輸入されている。
 そもそも、金銀銅に優劣をつけるのはいかがかと思う。そんなことを考えながら過ごした今年の夏も終わる。昨日、2回目のワクチン接種を終えた。コロナは続く。

筆者紹介:水野好清

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