【第206号】便利さ

 就職して最初にした仕事はマニュアルの作成であった。約40年前のことである。その後、外部向けの案内文の作成も行った。いずれも、下書きをして清書は他の人に委託した。その後、ワープロが登場して清書まで一貫して作業ができるようになった。現在、こうして文章を作成する場合も数段便利になった。消しゴムを使うこともなく、大変助かっている。
 次に、今日ではコピー機の登場により気楽に写しを残すことかできるようになった。かつて、カーボン紙を使って行っていた作業が嘘のようである。ほかにも、携帯電話の普及により固定電話を持たない家庭も増えた。公衆電話もあまり見かけなくなった。このように不便さを克服するために便利さは追求されてきた。
 先日、窓ふきをする家電があることを知った。窓ふきは大変な作業である。克服されれば便利である。しかし、無くてはならないものなのか疑問を感じる。AIの発達によりロボットも開発されつつある。不便さを克服するものもあれば、目新しさや快適さの追求があるようなきがする。
 技術革新が経済の発展には必要不可欠である。ICTの利用はその最たるものである。しかし、何のために必要か、同時に失われるものは何か考えなければならない。変化に追われる時代である。立ち止まって考える余裕がないともいえる。コロナ禍が一層追い打ちをかけているような気がする。世の悪風にそむことなかれ。

筆者紹介:水野好清

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