【第148号】コンビニがなかった時代

高校生のころ、深志高校の周辺には、正門に明林堂、東門に島屋、北に由上商店があった(名前については曖昧な記憶)。今は皆消えてしまった。

深志高校の校舎も一棟や講堂を除いて建て替えられたことを思うと周辺の変化も致し方あるまい。

高校生のころを思い返すと北側にあった部室の建物がきれいに跡形もないことにさみしさを覚える。当時、「深志高校では、入学は正面から卒業は裏から」と威張っていたことを思い出す。教室での授業よりも部室での思い出が高校生活であった。

我々がいた応管の部室は、部室棟の東側にあり、入学当時は木造で、足を踏み入れるのが恐れ多いのと同時にいかにも怪しげな空間であった。ときどきボヤ騒ぎもあった。そのためか、2年生の時にはブロック塀の殺伐とした建物に建て替えられた。

今はない深志高校の面影は多々ある。正面玄関を入って真っすぐ進んで左手にあった公使室、その奥にあった合宿の時の食堂。大いにお世話になった。公使室の反対に職員便所。さらに奥にあった先生方の宿直室。卒業間際にはそこでもお世話になった。

深志高校には謎の空間が多数あった。かなりの場所を探検したと思う。それらの多くは記憶の中にだけ存在している。

コンビニがなかった時代、闇の不透明感と恐怖の中である種の好奇心に後押しされて探検と謎の解明と新天地を開くことを楽しんでいた。気持ちは今も変わらない。

筆者紹介 : 水野 好清

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