【第23号】先輩文庫

深志高校図書館の2階に自習室がある。そこの片隅に本棚がいくつも並べられていて、その中にはたくさんの書籍が詰まっている。学校に寄せられた「先輩文庫」である。

ちょっとのぞいてみたら、『唐木順三全集』『木下尚江全集』『窪田空穂全集』『吉江喬松全集』『高橋玄一郎全集』などが本棚の大半を占め、五島慶太、原田伴彦、池上隆祐、臼井吉見などの著作があちこちに並んでいる。この方々たちも同窓生だったのかと、驚いたり感心したり。

先輩文庫を受け入れて管理している図書館の土屋先生に尋ねたら、今年の3月31日現在で2240冊登録されているという。今でも寄贈されていて、昨年度(24年度)1年間で26冊あったという。

私(小松)は、かなり前から「先輩文庫」のことは聞いていて(在学中は知らなかったが)、いつかは自分の本をここへ寄贈できたらいいなあと思っていた。昭和六十二年に、父の追想を本にしたとき、生意気にも、校長先生宛にお贈りした。その本は、今もあまり目のつかない棚の隅に置かれている。

同窓会の資料室に行くたびに、自習室で学習する生徒の姿がある。彼らはどれだけこれらの「先輩文庫」目にしているだろうか。私のように、背表紙の名だけをみて、先輩であることを知ったりしているのだろうか。

生徒諸君にもっと目につくように、本棚の配置を工夫したらどうかと、関係者と話をしている昨今である。

筆者紹介 : 小松 芳郎

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