【第76号】深志百年館

所在地は松本市三才山字本郷山。深志百年館は美鈴湖から美ケ原に向かう林道の途中にある。実は行ったことも、行こうとした覚えもない。同窓会の本年度総会で取り壊しの方向性が固まった。

「学びの場として使うのは難しく、あまり利用されていない。老朽化が進み、雨漏りがひどくなった」と、あり方検討委員会が3年前にまとめている。獣による土の掘り返し跡や、破損したボイラーの煙突の写真が総会資料に添付されていた。

昭和51(1976)年の創立100周年事業だった。「誰しもが満足の行く適地であることを認めて、この地に深志の森を定めることを確認した。同窓会館も森の管理棟を兼ねて建設したら、の意見も多数の賛意があり、大体これで森と会館の位置づけが内定した」と記念誌『深志百年』にある。

大先輩たちが描いたロマンの館は時代の役割を終え、所定の手続きを経て取り壊されよう。解体から原状回復までの諸費用はいかほどだろう。

130周年で建設した深志教育会館も9年が経ち、外壁の化粧直しに迫られた。維持管理問題にどう向き合うか。若い俊英たちに後年負担を強いないための百年の計。その大切さを百年館の姿から学ぶ。

筆者紹介 : 伊藤 芳郎

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