【第249号】人生の分岐点と私の人生の歩き方

清水 秀樹 (26回)
 古希を迎える現役ITコンサルタント

 私は「製造業に特化したITコンサルタント」を現役で続けられています。
 現在に至るまでの人生を振り返るといくつかの分岐点がありましたが、その中でも人生の方向性を決めた大きな分岐点には3つありました。

 第一の分岐点は、大学受験の志望学科選択です。
 当時はコンピュータに関わる仕事が広がり始めていたこともあり、「コンピュータに関わる技術者」を目指そうと考えました。電気通信大学の受験で第一志望は電子工学、第二志望は情報処理を記入しましたが、願書には第三志望まで書けたので、経営工学科と書きました。この選択が人生の分岐点になりました。結果は、第一・第二志望には合格せず、第三志望の経営工学科にかろうじて合格しました。

 第二の分岐点は職業選択です。
 就職は、当時のソフトウェアハウスです。一言でソフトウェアと言っても、コンピュータ寄りのものから利用者寄りのものまで幅広く、利用者といっても、流通業・製造業・金融業など幅広くありました。日本の基幹産業は製造業です。この製造業に関わるIT技術者を生涯の仕事にしようと決めました。

 第三の分岐点は、就職した会社を4年半で辞め、上司と共に起業したことです。これにより、定年の縛りがなくなり、仕事の依頼がある限り現役でいられるのです。

 分岐点における意思決定で重要なのは、この意思決定により生じる結果については、すべて自分が責任を取る覚悟をし、親や先生、先輩などの意見は聞いたとしても、最後は「自身の信念に基づき決める」ことが不可欠です。分岐点での決断の良し悪しを評価することはできません。評価するためには、選択肢の両方を歩いてみないとできませんが、それはできません。また、選択がまずかったと思っても分岐点に戻ることもできません。

 そんな時、私は次のような言葉を自分に言い聞かせて、前に進むようにしてきました。

  • 時は決して戻れない
  • 人の目は顔の前に付いていて、前しか見られない
  • 転んだら、何かを拾って起き上がれ
  • 失敗は成功の母。挫折や失敗は最大の糧だ
  • 飛躍の前には壁がある。壁はチャンスと思え
  • 山があれば谷がある
  • 夢は歩き続けないと決してかなわない
  • 諦めたら終わり。命ある限り歩き続けよう

 若い皆さんは、失敗など恐れず、失敗を糧や学びにして充実した人生にチャレンジしてください。

 分岐点での決断を楽しみながら。